C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第22章 君と僕─ランギルスside─
僕は泣き叫ぶミライを見て、嘲笑う。
「ラトリ……人間の友達なんていたの?しかも、あの子からは魔力を一切感じない」
ギヴンが不思議そうに僕に聞いた。
「あぁ?そんなわけないだろ?俺はあんな女、知らない……」
僕はギヴンにそう答えた。ミライを知らない、と。
「ちょっとあなた!!ミライと恋人同士なんじゃないの?知らないってどういうことよ!!」
バネッサと呼ばれる女が僕に向かってそう叫んだ。
「恋人同士?何を言ってるんだ……お前ら人間のクズ共と友達、ましてや恋人になるわけないだろうが!全くふざけたヤツらだ……早く王城へと行かなきゃならないのに、手こずらせやがって……お前ら人間共には死んでもらう……!!」
僕がそう言い放ったあと、ミライは僕の元へと走ってきた。そして僕をぎゅっと抱きしめる。
「ランギルス……もう、やめて……わかる?わたしのこと……」
ミライは震える声でそう言った。
「……俺はランギルスじゃない、俺はラトリだ」
僕はそう言って、ミライを思いっきり突き飛ばした。ミライはその場に倒れ込む。涙を流し、怯えた表情で僕を見上げる。バネッサと呼ばれる女は他の団員に捕らえられ、ミライを助けられない状況だ。
「いっ、いや……こんなの……やめて!!」
ミライが泣き叫ぶ。
「うるさいぞ……!!死ね!!」
僕はそう言い放ち、手を振りかざし魔法を発動した。
やめろ……、やめてくれ……
────ミライのお腹に空間魔法が直撃していた。血だらけで倒れ込むミライの姿。
そして、そのまま団員を引き連れ、王城へと向かっていった。空には左側半分の、半月が輝いていた。
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「ミライ———————ッ!!!!はぁっ……、っはぁ……」
僕は飛び起きると、汗びっしょりだった。部屋は暗いままで月明かりが差し込んでいた。まだ、夜明け前だった。
「ん……、ランギルス……?」
隣で寝ていたミライが起き上がる。
「……起こしてすまない」
僕がそう言うと、ミライは僕の背中を優しく撫でる。
「どうしたの……?悪い夢でも……見た……?すごい汗……」