C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第22章 君と僕─ランギルスside─
夢を、見ていた。
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────金色の夜明け団本拠地
煌々と光り輝く団員たちは強力な魔を放ち、誰かを待っているようだ。団員のダヴィドとレトゥアが喋っている。そこへ、屋敷を破壊して同じく光を放ちながら現れたのは────……紛れもなく、僕だった。
「これは、これは、皆さんお揃いで……人間のクセにほんと生意気でムカつくよ……」
「わたしたちを揃えたのはおそらくあなたの従兄弟よ、ラトリ」
レトゥアは僕を“ラトリ”と呼んだ。レトゥアはキヴンという名になっていて、ダヴィドはバヴァルという名で呼ばれていた。
「そうか、パトリ……やっぱりひねくれ者同士、気が合うな。俺もこいつら王族を殺したくてウズウズしてるよ……白い夜は終わった……人間のヤツらに見せてやろう、金色の夜明けを……!!」
僕はラトリでパトリという人物と従姉妹だというのだ。僕は何の疑念もなく、パトリという名の人物を知っているかのようだ。僕は人間に対する憎悪に満ちた言葉を言い放ち、姿形は今まで任務を共にしてきた金色の団員たちなのだが、名も心も別人のようだ。僕は団員を引き連れ、王城へと向かっていった。王都は崩壊していた。
王城へと向かう途中、城の医療棟に向かって歩いているミライと、あれは……暴牛の……バネッサと呼ばれる、卑猥な女が歩いていた。兄さんの見舞いにでも行くのだろうか。僕らは煌々と輝き、物凄い強力な魔を放っている。そして、キヴンがミライたちに魔法を発動した。僕はなぜ、止めないんだ。
羅針盤魔法“順わぬ指針”
ドスッ────……
針がミライに当たろうとしたとき、それはバネッサと呼ばれる女の魔法によってその攻撃は防がれた。ミライは驚きを隠せない様子で座り込んでいる。
「ちょっとあなたたち、金色の夜明け団でしょう?何するのよ!!」
僕らに向かって、バネッサと呼ばれる女が叫んだ。
「人間は今から滅びるのよ」
キヴンがそう言い返した。僕はそのときミライと目が合った。あろうことか、夢の中の僕はミライを見て、不敵な笑みを浮かべている。
「ランギルス……!!どうして、こんなこと……目を、覚まして!!」
僕に向かって、ミライは泣きながら叫んだ。