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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第22章 君と僕─ランギルスside─





ミライはミライで、僕は僕だ。そんな当たり前のことに気づけずに、僕だけのものにしたいなんて、それは間違っていた。僕はミライに求めすぎていたんだ。本当に誰かを愛するということに気づいたとき、ミライを守るために、僕には何ができるだろうと考えた。生きていてほしいんだ、僕の記憶の中で、永遠に。僕以外の男と、なんて許せない……が、ミライには幸せになってほしい、と思うんだ。


あの占い師が言った。この世界は近いうちに滅ぼされる、と。転生魔法によって復活したエルフの民に。そして、朽ち果てた世界でミライは僕に殺される運命だと。僕がエルフの民だ、と?あの占い師、縁起でもないこと言いやがって。


だいたい、転生魔法の発動条件もわからない。エルフ族はかつて人間によって滅ぼされたと聞いたが、一体どうやって復活するというのか。何らかの条件が満たされたとき、転生魔法が発動しこの世界の人間の誰かが、エルフの民に転生し、人間を攻撃するというのか?僕が我を失ったとき、そのエルフの民の人格が存在していた?


“白夜の魔眼”の当主のリヒトや幹部であるサードアイが言っていたとされる真の姿に生まれ変わる、というのと占い師が言っていたことは妙に一致していた。占いはただの占いだと思っていたが、あまりにも繋がっていた。僕の身に起きている不可解なことも。


ミライと過ごしている時間は全てを忘れていた。魔法騎士団のこともヴォード家のことも、僕の背負っているものを何もかも忘れて、ミライとアフターヌーンティーで紅茶を飲んだり、海に行ったり、ミライをこの手で抱いて────……幸せな時間だった。だが、それは、あっという間だった。まるで、幻のように。


考えれば考えるほど、頭痛がした。確かに、腕の中にはミライの体温を感じるのに、夢を見ているかのような錯覚になる。過酷な現実を目の前にした僕と、穏やかに眠るミライは、もう遠い存在のような気がしてなからなかった。だが、夜が明けるまではミライの体温を感じて、現実から目を背けたって……いいかい?


僕は片手でミライの髪をそっと撫でて、ぎゅっと抱きしめた。とくんとくんとリズムを刻む心音に、徐々に深い眠りに誘われていく。夜が明けたら、君と僕は、もう────……



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