C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第20章 変わらないこと
ランギルスがそう言ってくれたので、わたしたちはアクセサリーのお店に入った。
クローバーをモチーフにしたネックレスはガラスのショーケースの中に3種類置いてあり、三つ葉、四つ葉、五つ葉とある。
「これ、グリモワールみたいだね……」
「グリモワール?」
「グリモワールも3種類ある。基本的には三つ葉だが、四つ葉や五つ葉を持っているやつもいる。現に君の団のアスタは五つ葉だ。5枚目の葉には悪魔が宿ると言われている。」
「悪魔か……確かクローバーは葉の枚数によって花言葉も違うんだよね……深い意味がある」
わたしがそう言うと、お店の人がこちらへ来た。
「お客様、クローバーの花言葉をご存知なんですね!それぞれ枚数によって意味が違いますので、贈る方に合わせて選んでくださいね。あら……城下町のこんな小さなお店に金色の方がいらっしゃるとは……とても恐縮です……お客様の恋人ですか?羨ましい限りです。」
「あ……えと、そういうわけでは……わたしが一方的に好きなだけなので……」
ランギルスはわたしを見て、ため息をついた。
「そんなことを言ったら、僕が兄さんみたいに女好きだと思われるでしょう?やめてくれよ……」
「じゃあ、なんて言えばいいの……恋人ですって言ったらいいの?」
「……いいんじゃないか」
ランギルスはそう言うと、顔を赤らめ顔を逸らしてしまった。
「まぁ!羨ましい限りです!アクセサリーはお互いに身につけることで2人を繋ぐ“証”となりますよ。ちなみに四つ葉のクローバーは幸運という意味が主流ですが、4枚の葉それぞれに意味があって4枚揃うと“真実の愛”を意味します。恋人同士の贈り物にはこちらの四つ葉のクローバーが一番人気です。つけてみます?」
「……真実の……愛……?」
わたしがそう言うと、隣でふっと笑う声がした。
「真実の愛なんて……目に見えないものをかたちにするなんてね……まぁ、それもそれでありなのかもしれない」
ランギルスはそう言うと、わたしにつけてみなよと言ってくれた。お店の人がショーケースから四つ葉のネックレスを出し、つけてもらい鏡を覗いた。
「素敵ですね!」
なんだかトイレが近い。紅茶を飲みすぎたのか我慢できない尿意に襲われ、すみませんと言いネックレスを外してお店のトイレに直行した。