C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第20章 変わらないこと
紅茶好きのランギルスは満足してくれているようだが、わたしには何種類か飲んでみても紅茶の味の違いがわからなかった。
「君、まさか……味の違いがわからないとか……ないよね……?」
「……へ?そ、そんな……そんなことあるわけ……な、ない!」
ランギルスはそんなわたしを見て、笑っている。こんなに楽しそうな表情のランギルスは初めて見たかもしれない。なんだか嬉しくてわたしも声を出して笑った。
ハイティースタンドに乗っているケーキの中にランギルスの好きなミニサイズのチェリータルトがあった。わたしの分と合わせて2個乗っていたのでそれはランギルスにあげることにした。いつもひねくれていて好戦的なランギルスだが、スイーツを食べているときと寝ているときのランギルスはあどけない。かわいいというか愛しいというかずっと見ていられる気がする。愛しさで胸がいっぱいになってお腹もいっぱいになってしまった。
「もう食べないのかい?」
「あ、えっと……なんか胸がいっぱい?で……お腹も……」
「は……?何を言っているんだ?おかしな女だね……」
ランギルス驚いた表情で少し顔を赤らめると、また笑った。
紅茶もたくさん飲みケーキも食べ終えて、わたしたちは喫茶店を後にした。わたしが黒の暴牛で稼いだお金で支払いをしようとすると、ランギルスが先に払ってしまった。
「ランギルス……あの、お金……わたしが払おうとしたのに……」
「僕が君に払わせるなんてありえないね……」
そう言われてしまい、結局ランギルスの奢りになってしまった。ランギルスは飲んだ紅茶の中で気に入った銘柄があったようでそれを茶葉で買っていたようだ。
「それ、買ってきたの?」
「あぁ、団に持って帰って任務の合間に飲もうと思ってね」
話しながら歩いていると、高貴すぎないおしゃれな雰囲気のアクセサリーのお店が目に止まった。ガラス越しに見える小ぶりなクローバーをモチーフにしたネックレス。その隣には天然石のシンプルなネックレスが飾ってあった。思わず足を止めて見ていた。
「ランギルス、ここのお店に入りたい!このクローバーのネックレスかわいい〜!離れていてもお互いにお揃いの何かをつけていたらずっといっしょにいられる気がしない?」
「……はぁ、よくわかんないけど仕方ないね……入ってもいいよ」