• テキストサイズ

C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第19章 掌─ランギルスside─※





なぜだ?よりによってなぜ、兄さんの団なんだ?


この世界で働いて住める場所が見つかり仲間ができたことは聞いていたが、なぜ黒の暴牛なんだ……なぜ兄さんと暮らして兄さんのそばにいるんだ?なぁ、ミライ……教えてくれよ……心の底から湧き上がるこのどす黒い感情に眩暈がした。


兄さんのそばで毎日笑っているのか?僕に向けている笑顔。僕の名を呼ぶその優しい声。僕に触れる温かい手のひら。全部僕だけのものにしたい。


目の前で兄さんの名を呼んだミライに苛立ち、僕は衝動のままにミライを求めて想いをぶつけた。そんな僕にミライは応えてくれるんだ。ミライの心も体も全てが欲しい。僕だけのものにしたい。僕だけのそばにいてくれよ……ミライを殺してしまえば永遠に僕だけのものだ。兄さんのそばにいくこともないだろ?狂気に満ちていく。僕はミライの頸動脈を強く押さえた。


気を失ったミライを見て我に返った。ミライの上半身が僕のつけた所有印でアザだらけになっていて、手首は鬱血していた。どうしようもない僕の歪んだ想いを受け止めてくれたミライの姿に僕は自分がしたことを悔やんだ。ミライは僕を愛してくれているのに、なぜこんなにも欲深くなるのか。ミライがありのままの僕を認めてくれて僕を好きだと言ってくれて僕に笑顔を見せてくれる。それだけで満たされていたはずだ。


気を失っているミライを僕は優しく抱きしめた。もう2度と傷つけないと心に誓った。……そう、誓ったはずなんだ。だが、いとも簡単に僕の理性は吹き飛んでしまう。僕以外の誰かと笑っているとき、僕以外の誰かが触れているとき、僕は心の中にどす黒い感情が渦巻いて自分自身に抑えが利かなくなる。ミライの痛みに歪んだ顔や泣き顔を見たとき、自己嫌悪になりながらもどこか優越感を感じた。止められないんだ。このままじゃ、僕はミライを壊してしまう……


兄さんといっしょにいるミライを何度か見かけた。その度にどす黒い感情が込み上げ、ミライを傷つけた。殺してしまいたいと思うほど、僕はミライが好きだ────……



─────────────────────



────僕は気がつくと、ベットで寝ていた。ここはどこだ……?



/ 233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp