• テキストサイズ

C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第19章 掌─ランギルスside─※





僕は気づいた。この温かい気持ちが好きだということに────……


ミライはなんの躊躇もなく僕に真っ直ぐ気持ちを伝えてくれる。僕は自分の感情の名に気づいても伝えることができないでいた。なんだか恥ずかしくて、“好き”というたった2文字を言えずにいたんだ。


僕はミライといると、本当の自分でいられる気がした。体を重ねなくても、ミライといっしょにいるだけで僕の心は不思議と満たされていた。ミライといる時間は魔法騎士団のこともヴォード家のことも忘れられたんだ。ミライになら話せると思った。僕の心の内を。


ある日、ふとミライに聞いてほしいと思ったとき僕はミライをラクエの海岸に連れて行った。夜の海は不思議と心が落ち着くんだ。僕は誰にも話したことのなかった心の内を吐き出した。ずっと重く苦しい僕の心が軽くなって楽になったんだ。


僕の弱い部分を見せても尚、ミライは僕に優しく微笑んでくれた。そして、僕のそばにいると、ずっと僕の味方でいると言ってくれた。ありのままの僕が好きだと────……


ミライはこの世界の人間じゃない。だが、この世界にいる間は僕のそばにいてほしい。素直にそう思い、伝えたんだ。僕が素直になることなんてありえないのにね……ミライは不思議だ。ミライだけがくれる光で心が明るくなっていく。こんなに穏やかな気持ちになれるのはミライの前でだけなんだ。


ミライが僕をそっと抱きしめてくれて、優しいキスをしてくれた。僕の髪を撫でてくれた。ありのままの僕を包み込んでくれるミライを愛しいと思ってしまった。


ミライと確かに想いが通じ合ったとき、不思議なことが起きた。僕の空間が謎の場所に繋がった。僕はその場所で魔が弱まっていくのを感じた。まずいと思い、僕は急いで空間を作りラクエに戻ったんだ。突然の出来事に何が起こったのかわからなかった。僕は一度も行ったことのない場所に空間を作ることはできないからだ。ミライは謎の場所を自分の住んでいる世界だと言った。そんなのことがありえるのか?オカルト話じゃあるまいし……


よくわからないまま僕らは王都の宿へ行った。僕とミライ2人だけの世界みたいだ。ミライの心も体も僕のものに───……



/ 233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp