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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第18章 選抜試験にて





避難し引き続きフィンラルの様子を見守りながら、わたしたちは試合の様子を見ていた。ランギルスは他のメンバーを差し置いて独走していた。凶々しい魔が放出されている。


ミモザさんがクリスタルを運び、アスタがアンチ魔法の剣で攻撃から守りながら距離を詰めようとしていた。だが、ランギルスの空間魔法の弾は夥しい量だ。アスタは切り損ねた空間魔法くらってしまっている。このままではランギルスの魔力が尽きるより、アスタの体力が先に尽きてしまう……


そして、アスタの動きが突然止まりアスタチームの偽ザクスと呼ばれる男がアスタの前に立ち魔法陣を発動させる。だが、ランギルスは魔法陣を避けて攻撃をする。しかし、その攻撃は偽ザクスの体に吸収されたのだ。会場内がざわめいている。自分の体にも魔法陣を仕掛けていたというのだ。


次の瞬間、偽ザクスは威力を倍にして空間魔法を跳ね返した。物凄い音と共に閃光が走った。その眩しさに目を細めた。光が消え、ステージを見る。


────そこには傷一つついていないランギルスの姿があった。


ランギルスの魔力が膨れ上がり、さらに凶々しい魔を放出していた。ランギルスは倍の威力になって跳ね返った魔法を地面ごとかき消していたのだ。


もはや、わたしの知っているランギルスではない。我を失っているようだった。周りの魔法騎士たちもランギルスのその異様な姿に違和感を覚えているようだった。


倒れている偽ザクスにランギルスはさらに攻撃しようとする。その背後から半身を黒く染め翼と角が生えたアスタが現れ、ランギルスの攻撃を切り裂いた。ランギルスはアスタに向かってさらに膨大な魔力を放出する。その瞬間アスタが断魔の剣を持ち黒いオーラを一直線に放ちながら、高速で突き抜けていく────……


ランギルスは魔力が尽き吹っ飛ばされ、物凄い音共にランギルスチームのクリスタルは真っ二つに割れた。それと同時にアスタチームのクリスタルにも穴が空き、粉々に砕け散った。


「両チームのクリスタルが同時に破壊!この試合は引き分けとする!」


────試合終了のアナウンスが響き渡った。


闇のような黒い雲の切れ間からは白い光が差し込み始めた。段々と雲が消えていきいつの間にか会場には青空が広がっていた。


フィンラルは未だ目を覚まさず、城の医療棟に連れて行かれることになった。



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