C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第18章 選抜試験にて
まだ選抜試験は終わっていないためまだ試合が残っている。わたしとバネッサが会場を離れフィンラルに付き添うことになった。
「ちょっとミライ、服ビリビリじゃないの〜!ミニスカートになっちゃってるわ!フィンラルの止血に使ったのね……」
バネッサがわたしのワンピースを見て、そう言った。
「そうなの……無我夢中で破いたからこんなに短くなっちゃったんだけど、今は気にしてられないし……」
「そうね……ミライにとっては複雑よね……彼、おかしかったもの……」
「元々ひねくれた性格ではあるんだ。でも、あんな風になるなんて……信じられないの……」
「そうよね……」
バネッサと話していると、背後から気配を感じた。
「ちょっといいかな?ヤミのところのミライちゃん。」
突然魔法帝に呼ばれたので、バネッサには先に行っててもらうことにした。
わたしは魔法帝に先導され周りに人がいない場所まで連れて行かれる。魔法帝は立ち止まり、わたしの方を見た。
「ランギルスのことなんだ。君にお願いしたいことがあるんだ。」
「えっと……わたしなんかでよければ……」
「ヤミの話によると君はランギルスと愛で結ばれた関係だ。ランギルスがわたしたちには話せないようなことも君になら話せるかもしれないと思ったんだ。ランギルスはさっきの試合で気を失っているから、城の医療棟に連れて行った。君がそばにいてやってくれないか?そこで彼が目を覚ましたとき、試験のことで何か言っていたら教えてほしいんだ。頼めるかな?」
「ヤミ団長といっしょに団長会議に行ったとき、“白夜の魔眼”に加担していた団長がいました……つまり、今回はランギルスが疑われている……ということですよね……?」
「詳しくは話せないが、君もランギルスをおかしいと感じたようだね。本当のランギルスではないと……普段からいっしょにいる君がそう思うなら尚更だ。何もわからなくてもそれはそれで仕方がない。わたしたちが事情聴取しても本心を言うとは限らないからね。心が通っている君の方が適任だ。」
「……わかりました。」
「頼むね。」
魔法帝は直属の空間魔導士を呼ぶ。わたしはその空間魔導士のドアのような空間に入った。薬品の匂いが鼻につく。
────ランギルスの病室に移動していた。