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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第18章 選抜試験にて





その名も空間魔法“堕天使のはばたき”である。攻撃魔法を覚えることのできなかったフィンラルの新技は、触れた相手を強制的に別の場所に空間移動させるというもの。


「おお〜!!この魔法なら敵を傷つけることなく、確実に戦いから排除できる!!彼はおそらく優しい心の持ち主なんだね〜!!」


フィンラルの魔法を見て、魔法帝は興奮しているようだ。アスタも試合を見ながら興奮しっぱなしだ。一体、セッケはどこに行ってしまったのだろうか……


そして、ランギルスはグリモワールのページを開くと、悍ましい魔力を発動させた。先ほどまで気持ちの良い青空が広がっていた会場は突然どす黒い雲に覆われていき闇に包まれ、辺りは凶々しい空気が流れる。試合を見守っている魔法帝や魔法騎士団員たちもが息を呑んでいる。わたしは戦慄が走り、不安が深まっていく。一体何が────……


フィンラルとランギルスから魔が放たれ、空間魔法同士が衝突した。


ヴァオオオ────……


その瞬間、物凄い音と共に閃光が走った。その眩しさに目を細めた。そして光が消え、ステージを見ると決着がついたといえるかのようにフィンラルのチームのクリスタルには穴が空き、割れていく。砂埃を立てながら……


────その近くには体中に穴が開き、倒れているフィンラルの姿があった。


「フィンラル先輩!!」


アスタが叫び、わたしはハッと我に返った。わたしが見てるものは現実なのだろうか?信じられずに頭が真っ白になっていた。わたしは金縛りのように体が痺れて足が震える。フィンラルは血だらけだ。生きているのかもわからない。回復魔法で治せるとは思えないほど、傷だらけなのだ。


「Gチームの勝利です……」


この凶々しい雰囲気の中、アナウンスが響き渡った。会場にいる誰もが言葉を発しない。この静けさが不気味さを増していく。わたしはただただ立ち尽くしていた。


倒れているフィンラルの元にランギルスが近づいていく。勝負はついているのに、ランギルスはなぜか手を振りかざそうとしている。このままではフィンラルが死んでしまう……


わたしは黒の暴牛のみんなといっしょにチャーミーの魔法でフィールドに降りた。アスタとラックとマグナは魔法を発動し、ランギルスを止めに入る。わたしはノエルといっしょにフィンラルに駆け寄った。


「フィンラル……?」



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