C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第18章 選抜試験にて
「こんなところで何をやっているんですか……兄さんは随分と余裕ですね……次の試合の相手が僕だっていうのに……そんな女とベタベタしているなんてね……君も何しにきたんだ、ミライ……目障りなんだよ……」
ランギルスは背後からわたしたちに近づいてきて、そう言った。
フィンラルはわたしを解放し、ランギルスの前に立つ。わたしはその場に立ち尽くす。
「ミライちゃんも黒の暴牛の団員だ。だから応援に来てくれたんだ。目障りだとかそんなこと言うなよ。」
「へぇ……つまり兄さんの味方だと……」
フィンラルがわたしを庇うと、ランギルスは声を震わせてそう言った。わたしは黒の暴牛として今は団員の応援をしなければならない。心はランギルスの味方であることは変わらないが、その気持ちはランギルスには届かない。ランギルスは今自分が目にしているものを信じている。気持ちなんて目には見えないのだから……胸がギュッと締め付けられ、苦しくなる。
「兄さんは所詮……運び屋止まりですよ。次の試合……僕の空間に入らないでくださいね……体持っていかれても知らないですから。そうなると、父さんや母さんはともかくあの人が悲しむ……そんな女に現を抜かしていることも知ったら……もっと悲しむでしょうね」
「……そうだな。そうならないように……俺がお前に勝つ……!それと、俺はミライちゃんと何もないから関係ないだろ……!」
「兄さんのクセに……生意気だね……!!」
ランギルスはそう言い捨て、この場から去っていった。
「ミライちゃん、ごめん……また嫌な思いさせちゃったな……次の試合、ランギルスのいるGチームと対戦なんだ。俺、負けてられない……!」
「うん!黒の暴牛の団員として応援してるよ!ランギルスにも頑張ってほしいけど……ね……」
「あいつにミライちゃんの気持ちが届けばいいのにな……」
そして第2回戦が始まった────……
第2回戦、第1試合はアスタのいるBチームとマグナのいるCチームの対戦だ。
アスタは半身を真っ黒な闇に包み、断魔の剣を構えている。新しい必殺技“ブラックハリケーン”だ。
相手の桜魔法“魔桜の猛花吹雪”による桜吹雪をものの見事にかき消してしまった。そして、チーム一丸となって相手チームを倒した。