• テキストサイズ

C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第16章 星果祭にて





「お〜い!ミライちゃ〜ん!あれ……どこだ?」


表からわたしを探しているフィンラルの声が聞こえてきた。わたしとランギルスは死角の場所にいるため表からは気づかないのだ。


ランギルスのことが好きでランギルスのためになることなら何でもしたいと思う。ランギルスは今、わたしを殺してしまいたいと言った。一体、どういう意味なのだろうか。何を考えてるかわからず、思考が追いつかない。


「ランギルス……わたしフィンラルのところへ戻らないと……それに功績発表20時からでしょ?遅れちゃうよ……」


ランギルスが退いてくれないとわたしは身動きが取れない。


ランギルスは壁についている手とは反対の手で懐中時計を出し、時間を確認するとわたしから離れた。


「あぁ、もう行くよ。今言ったことは、忘れてくれ……君も男漁りなんかしてないで早く兄さんのところへ行きなよ……」


ランギルスは切なげな声でそう言うと、わたしから離れて去って行った。わたしはズルズルとその場に座り込んだ。ランギルスが残した体温が名残惜しく、まだ触れていたいと思ってしまった。


戦場で会った以来、ランギルスの気持ちがわからないまま王都には飲みに行けなくてずっと会えていなかった。あのバーに行けばきっと会えるだろうと思ったが、話しができないまま流されて体を重ねてしまう気がした。わたしはランギルスのことが好きな気持ちを抑えて、あえて会うことを避けていた。


黒の暴牛で過ごすことの方が多かったため、久しぶりに感じたランギルスの匂いと体温に胸が高鳴って顔が熱くなっていく。やっぱりこんな風な気持ちになるのもきっと相手がランギルスだからだ。


「ふぅ……落ち着けわたし……」


わたしは深呼吸をして気持ちを抑える。フィンラルが待っていると思い、急いで表に出た。表に出てさっきフィンラルと飲んでいた場所に戻ると、そこにはフィンラルがいた。


「ミライちゃ〜ん!待たせてごめんね!探したんだけど、いなくて心配したよ〜!もう、ヤミさんとジャック団長がさ……決着をつけるとかで戦い始めちゃって。そのあとはバネッサさんとシャーロット団長の競い合いに付き合わされて……もう疲れた……」


「わたしは大丈夫だけど、フィンラルの方が大変そうだね!」


「そろそろ功績発表が始まるから行こうか!」



/ 233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp