C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第16章 星果祭にて
功績発表の会場の方へと歩くランギルスだ。ランギルスは少し驚いた表情をすると、すぐにわたしから目を逸らした。
フィンラルの腕を振り払うこともできないわたしは抱きしめられたままランギルスの背中を見ていた。
「ごめん……いきなりこんなことして……お祭り回ろっか。」
フィンラルはそう言って、わたしをようやく解放した。
「うん!行こう!」
ランギルスに見られたことが気がかりだが取り乱さないようにそう言って、フィンラルに手を引かれるままお祭りを回る。
射的にお化け屋敷にお祭りらしい出店を次々と回っている間に、夕闇は空の暗さに変わり月が輝いていた。真っ暗な夜空に月が煌々と輝いている。今日は満月だ。フィンラルと横並びに座って、お酒を飲みながら出店で買ったごはんを食べていた。
「フィンラル、ナンパしないでわたしといっしょに回ってくれてありがとう!楽しかった!」
「あぁ、俺も楽しかった!あのさ……俺、考えたんだ。こないだ話してた真実の愛で繋がる道のことなんだけど、俺にその道に繋がる空間を作ることはできないかなって……」
「……へ?フィンラル……何言って……」
「今日は満月なんだ。このお祭りが終わったら俺はキアトくんとカホノちゃんを海底神殿に送っていく。そのときミライちゃんも俺といっしょに来てくれないか?その帰りにラクエの海岸に寄って、試してみたいんだ。俺にもその空間を作り出すことができるのか……俺はミライちゃんが好きだ。この気持ちに嘘はないんだ。」
「フィンラル……ありがとう。でもわたしは……ランギルスが好きなの……ごめん……」
「そっか……ミライちゃんがそう言うなら仕方ないなぁ〜!じゃあ、それなら見えないものを確かめに行こうよ。真実の愛でしか繋がらない道に俺が空間を作れるのかどうか。」
「確かめる……?」
「ミライちゃんがランギルスの作った空間で現実世界に繋がったことは紛れもない事実なんだ。ミライちゃんがランギルスを好きで、ランギルスもミライちゃんを本当に好きだから異世界に繋がる道の空間を作ることができた。それが本当なら俺には空間が作れないはずだよ。確かめたら、眉唾物じゃなかったって証明できるしランギルスのことを信じられるだろ?目には見えないものを確かめに行くんだ。」