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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第16章 星果祭にて





──────♪♪♪


周囲にいた誰もが振り向き、その歌声に聞き入った。


「やさしい歌声……ずっと聞いていたい……」


わたしは思わずそう口にすると、カホノさんが微笑んでくれた。


「ふふっ!ありがとう!」


みんなで話していると、誰かに腕を引かれる。


「俺といっしょにお祭り回らない?」


振り返るとそこにはフィンラルがいた。アスタとノエル、そしてキアトさんとカホノさん。どう考えてもダブルデートにちょうどいいし、わたしがいたら邪魔になってしまいそうだ。そう思い、フィンラルの誘いにのることにした。


「……え?いいけど……」


「やった〜!じゃあ、ミライちゃん借りてくよ〜!」


フィンラルがそう言うと、アスタとノエルがわたし見る。


「ミライさん、またあとで〜!!」


「ちょっとミライ〜!!」


わたしは2人に手を振って、その場を後にした。


フィンラルのわたしの腕を引く手がわたしの手のひらにいき、指と指が絡まる。恋人繋ぎをされ、なんだかドキドキしてしまい顔が熱くなっていく。日が暮れはじめて、空はオレンジ色に染まっていた。


「あのっフィンラル……?恥ずかしいよ……」


「ミライちゃんが嫌なら離すけど……お祭りは人がたくさんいて危ないから、手を離さない方がいいかなって!ははっ!」


「そっか……ありがとう。でもフィンラル?ナンパはいいの?お祭りだから女の子たくさんいるのに……わたしなんかといっしょにいたらナンパできないよ?ふふっ」


「あ〜えっと、ナンパはしない。俺は今日、ミライちゃんといっしょにいたいんだ。何したい?」


フィンラルはそう言って、いつになく真剣な表情でわたしを見る。恥ずかしくなって顔を逸らした。


「あ、えと……どこでもいいよ?フィンラルがいっしょにいてくれるなら」


「ミライちゃん……そんなこと言われたら俺、勘違いしちゃうよ……期待してもいいってこと?」


騒がしいお祭り会場で人々がすれ違う中、フィンラルは突然立ち止まりわたしをギュッと抱きしめた。


「フィンラル……みんな見てる……恥ずかしいよ……」


道ゆく人にジロジロと見られ、恥ずかしくなる。フィンラルの腕の中で向こうから歩いてくる人とふと目が合った。



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