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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第15章 居場所




アスタの腕には古代の呪術魔法がかけられていて、今の魔法では治すことができないという。


「呪い……か……クローバー王国一の回復魔導士が言うんじゃ間違いねぇな……」


ヤミ団長がそう言った。


「魔力のないあの子の唯一の武器を振ることすらできないっていうの……?」


バネッサの言う通り、アスタは反魔法の剣を振ることで戦っているのだ。腕が治らなければ、この先どうやって戦うのだろう……


今日キテンの町で見た戦闘。筋肉と諦めない気持ち、そして努力だけではどうにもならないことがこの国にもあるのかもしれない。いつも元気なアスタでさえ、きっとこの事実は絶望的なものかもしれない。


現実世界でもそうだ。努力したって報われないことの方が多いし、頑張っているのに嫌なことばかり起きることもある。絶望したとき、人は逃げてしまいたくなる。わたしがそうだからだ。


団員のみんなでアスタの姿を探すと、アスタが森の奥の大きな岩に座っているのを見つけた。アスタの後ろ姿を団員みんなで見つめる。


「「……」」


夜の空には月が輝いている。アスタは空を黙って見上げていた。夜の闇に希望という光を吸い込まれてしまいそうな気がした。


「誰が諦めるかぁぁ〜!!またやってくれたな運命このヤロー!!もうむしろ燃えるわ、バカタレー!!ぜってぇこの腕が治る方法見つけ出してやるからな!!もしくは腕以外の力で戦い抜いてやるわぁぁ〜!!」


アスタは突然岩の上で立ち上がり、夜空に向かってそう叫んでいた。


「そうだよな……小僧」


そんなアスタを見てヤミ団長がそう呟き、団員みんなもアスタが希望を失っていないことに安堵した。


わたしはヤミ団長と肉を買いながら話したことを思い出していた。希望はひとつじゃない。何個もあるのだ。そして、一つだめでも諦めないこと。


“魔法帝になる”という夢に向かって、どんなときもアスタは前を見ている────……





────次の日


団員たちは朝からアスタの腕の治療法を求めて、それぞれの場所へ探しに行っている。わたしはアジトの掃除や溜まっている洗濯をして過ごし、ヤミ団長とみんなの帰りを待っていた。


「遅いですね……みんな……」


「あぁ。そろそろ帰ってきてもいい頃だが……」


陽にはかすかにオレンジが混じり、西へ向かって進んでいた。



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