第7章 夏の思い出
「・・・・」
閉まったドアをぼんやりと見つめる。
キス。
初めてのキス…。
指で唇を触る。
一瞬だったけど、柔らかくて温かったな…。
今更ながら思い出すと恥ずかしくなってきた。
手のひらでパタパタと仰ぎ、顔の熱を冷ましていると、
バァンッと勢いよくドアが開き、今度は治君が現れた。
治「ともみちゃーん!久しぶりって、、えぇっ⁈ともみちゃんやんな?めっちゃ可愛くなってるやん‼︎何があったん⁇」
突然のドアが開く音と、治君の声に驚き、心臓がバクバクと音を立てている。
「お、おはようございます…」
治「うわぁ、メガネ取るとやっぱ美人さんやなぁ、別人みたいや。髪型もめっちゃ似合っとるで?」
せっかく冷めかけていた顔の熱がまた熱くなる。
「も、もう、私の事は良いので、、さ!行きましょ?」
治「フッ、照れてるん?可愛いなぁ。照れた顔もまた可愛いで?」
治君は意地の悪い笑顔を浮かべ、私の顔を覗いてくる。
「〜〜〜っ治君!」
手で治君の肩を押す。
治「ブブッ、ごめんごめん。ともみちゃんに会えるんめっちゃ楽しみにしてたんやもん。今日から3日間、楽しもな‼︎」
治君はキラキラとした笑顔を向けながら、
ほら行くで!と私の手を引いた。
この笑顔には敵わない…。