第5章 再会。
試合は音駒が勝った。
負けた森然高校はペナルティがあるらしく、試合が終わったばかりだと言うのに外へ走り込みに行ってしまった。
私はキョロキョロと辺りを見回す。
ずっとここで覗いてるのも怪しいし、これからどうしよう。と考えていると、
クロ「やっぱともみじゃーーん‼︎」
研磨「ともみ、久しぶり。よく来たね。」
近くの扉から研磨とクロが勢いよく出て来た。
「わぁ、2人ともお疲れ様。試合見てたよ、凄かった。」
イェーイとピースをするクロに、疲れた表情の研磨。
2人ともまだ額に汗が滲んでいる。
クロ「研磨が2セット目の終盤でともみが来てんのに気付いてさ、コイツそっから集中切れちゃって大変だったんだゾー。」
「え、、ごめんっ。目立たないようにコッソリ見てたのに…研磨よく気づいたね。」
研磨「クロだってともみが来てるって教えたらチラチラ見てたじゃん。やくさんに怒られてたし。」
クロ「そりゃ気になるだろ?ともみ何かすげー垢抜けてるし。人違いかと思ったわ。早く声掛けたいからとっとと勝って終わらせたかったんだもーん。」
イヒヒと片方の口元を上げ笑うクロ。
そんな顔を見た研磨はうわぁ、、と若干引き気味だ。
研磨「でもともみ、ホント別人みたい。見た目もだけど、、雰囲気も柔らかくなったよね。」
「そうかな…。そう言う研磨とクロも大人っぽくなったね。」
だろ?とクロが言いかけたその時、
木兎「ヘイヘイヘーーーイ!!」
クロ「この声は。」
扉から声の主が飛び出して来た。
研磨「・・やっぱり。」
木兎「ともみちゃーん‼︎何何〜?幼馴染ってクロと孤爪の事だったの?クロォ、こんな可愛い子が幼馴染とかずりーぞ!」
木兎さんはクロの肩に腕を回してぐいぐい肘で脇腹をつついている。
クロ「おいおい、何で木兎がともみの事知ってんだよ?」
木兎「さっき俺ら運命的な出会いをしたんだって!な?ともみちゃん⁇」
「・・運命的かどうかは分かりませんが、先程はありがとうございました。」
ペコッと頭を下げる。