第5章 再会。
・・・やっぱり。
「すいません…。第一体育館を探してて、ここじゃないんですね。失礼しました。」
頭を下げてその場から離れようと男の子に背を向けた時、
パシッ
腕を掴まれた。
振り向くと男の子は意地の悪そうな笑みを浮かべている。
「バレーなんかよりバスケのが面白いって。ねぇ、少しで良いから俺らと付き合ってよ?
」
「てかバレー部員だと思われたのマジショックなんだけど。俺らの方がイケてるっしょ。」
掴まれた腕を解こうにも解けない。
「すいません。急いでるので…手、離して下さい。」
「んー。わかった、いいよ。ただ、俺らもこれから試合あるからさ、終わったら遊び行こうよ?ライン交換してくれる?」
「え・・?」
「ほら、携帯出して。それとも今俺らの相手してくれんの?」
掴まれた腕にさらに力が入り、男の顔が一気に近づく。
ギリギリと腕が痛み、顔が歪む。
男はそんな私を見下ろし、ニヤリと笑った。
こんな所で大事になったら研磨やクロに迷惑がかかるかもしれない。
本当は嫌だけど、、、
掴まれていない方の手で鞄から携帯を出そうとした時。