第5章 再会。
「ヘイヘイヘーーーーーイ‼︎何してんのーー??」
この状況に似つかわしくない大きく明るい声が後ろの方から聞こえてきた。
「あ?誰だよ…」
チッと男が舌打ちをする。
次の瞬間、腕をパッと離されて、私の身体はバランスを崩しグラリ、と後ろへ傾いた。
「あっ、、、」
尻餅を着きそうになったところで、後ろから誰かに抱きとめられた。
「・・大丈夫ですか?」
落ち着いたトーンの声が頭の上から聞こえた。
「すいませんっ、ありがとうございます。」
後ろから抱きしめられているような体勢になっていた為、慌てて立ち上がり頭をさげた。
「いえ。間に合って良かった。」
その人は私を隠すようにして男の前に立った。
「あかーーーし‼︎俺が先に気づいたんだぞ‼︎俺にもカッコつけさせて‼︎」
先程の大きな声の人だろうか、すごい速さで駆けて来て私の前に立つ。
この2人かなり背が高いし、もしかして・・・。
「木兎さん、カッコつけるのは良いですけど、他校で揉め事起こさないで下さいね?」
「わかってるって!ってこの子、超可愛いーじゃん‼︎めっちゃタイプ〜!」
木兎さん。と呼ばれた人が振り向き、私と目が合うなり興奮気味に手を握ってきた。
バスケ部の男達は、
「アホくさっ」
「勝手にやってろ」
と捨て台詞を吐いて体育館の中へ入って行くと、バタン‼︎と大きな音を立て扉を閉めた。
「まぁ、結果的に木兎さんナイスです。」
「だろ?俺って出来る男なんだよ。で?君は誰?」
「あ、、ご迷惑をお掛けしてすいませんでした。私、第一体育館を探してて、、、」
「第一体育館‼︎あかーし、聞いた?この子、俺のファンの子だって。」
「いや、何がどう聞こえたらそうなるんですか?そんな事一言も言ってないでしょう?
俺たちもこれから第一体育館に戻るとこなので一緒に行きますか?」
「あ、じゃあお願いします…」