第5章 再会。
時計を見ると時刻は20時15分。
この時間、研磨ならゲームとかしてて電話出てくれるかも。
思い切って研磨の番号に掛けた。
RRRRRR・・・・
「出ない、、か。」
留守番設定に切り替わったところで電話を切った。
今度はクロに掛けてみる。
が、結局クロも留守電になってしまった。
「やっぱり知らない番号だし、普通出ないよね…」
諦めて携帯をテーブルに置こうとした時、
♪〜〜♪〜〜♪〜〜
携帯が鳴った。
画面を見ると、研磨だった。
私は慌ててタップし、耳にあてる。
「も、もしもし?研磨・・?」
研磨「・・・え?・・・もしかしてともみ?」
懐かしい、、研磨の声だ。
「うん…。久しぶり、突然驚かせてごめんね?」
研磨「うん…驚いた。携帯持ったんだね?・・てかちょっと、ウルサイ。静かにして。」
「え?あ、ごめん。うるさい?」
研磨「違う、ともみじゃなくて。今さ、バレーの合宿中で周りがうるさくて。・・ちょっとクロやめて、まだ話してる途中、、」
研磨の声が途切れガサガサと音がしたと思うと、
「ともみ?」
「・・あれ?クロ⁇」
クロ「よぅ、久しぶり〜!元気か?てかやっと携帯持ったか?」
「うん。さっきクロにも掛けたんだけど、2人共合宿で一緒だったんだね。バレー、頑張ってるんだ。」
クロ「もちろん頑張ってますヨ。ともみは?全然電話かけてこねーし。その、、、色々、大丈夫か?」
気遣う声色に、クロの優しさが伝わってくる。
「・・うん。大丈夫。色々心配掛けてごめんね。」
クロ「そっか、良かった。ちょっと待っ、、ーー!ーーーたよ。やるから、、」
「・・クロ?」
再びガサガサ、と雑音が入り今度は研磨の声が聞こえる。
研磨「クロに携帯奪われたから取り返した。今スピーカーに切り替えたから。」
「うん。」
なんかこの感じ、懐かしいな。
自然と頬が緩む。
クロ「てかともみ、夏休みだろ?こっち出てきたりしねーの?」
「あっ、そうだ。その話をしようと思って電話したんだ。実は今、東京にいるの。」
クロ「は?今⁈」
研磨「突然だね。」
「いきなりでごめん。今日はお墓参りして来たんだ。で、明日の午後には帰らなきゃなんだけど…。2人、合宿中だよね…。」
研磨もクロも合宿中じゃ会えない。