第5章 再会。
かよこ「ごめんごめーん。・・ともみ?大丈夫?」
戻ってきたかよこさんは俯いている私を見て、心配そうに顔を覗き込んできた。
「大丈夫です…。」
チラリとカップルに目を向けるとすでに話題は他にうつったのか楽しそうに話し込んでいた。
私は息を吐き、ぎゅっと拳を握ると、かよこさんに向き直った。
「かよこさん、、こんな私でも自信がつけれる方法……ありますか?」
思いがけない質問に、かよこさんは豆鉄砲を食らったような顔をした。
「あ、いきなりすいません…。」
何の脈絡もない話を切り出してしまい恥ずかしくなる。
かよこ「いやいや、全然いいのよ!ちょっと驚いただけ。えーっと自信の付け方ねぇ…。
自信はさ、経験とか積み重ねからくるものだと思うの。だからすぐに身に付くものじゃないけど・・・一つ、良い方法がある。」
かよこさんの目が光り、ニヤリと口が弧を描く。
かよこ「まずは見た目。人は中身が大事とは言うけど、私は同じくらい見た目が大事だと思ってる。社会に出るとつくづくそう思ったわ。
まぁ、今はそれは置いといて。
女の子って今日はメイクか上手く出来た、とか髪型がキマったとか、新しいワンピースを着たとか、そんな些細な事でも自信て持てるものよ?
いつもより胸張って歩けるし、好きな人に会いたくなったり。」
そういうもんなんだ…。
私はじっと話に耳を傾ける。
かよこ「ともみは素材が良いし、磨けば光るんだからもったいないわ。兵庫に来たばっかりの頃、私が無理やり美容院連れてこうとしたら部屋から出てこなくなったの覚えてるわよね?」
「あー、、、そんな事もありましたね…」
美容院が苦手でいつも髪の毛は傷んだ部分だけ自分で切っている。
かよこ「ともみはもう高校生だし、お洒落して女を磨かないとね!覚悟はいい?今日は逃げれないからね。」
不敵に笑うかよこさんに嫌な予感を覚えるが、、自分から切り出した事だし引き攣りつつも黙って頷いた。
それから美味しいランチとデザートまでしっかり食べて、私達は店を出た。
そこからは目が回るようだった…。