第5章 再会。
それから私達は電車に乗り都心の方まで出ると、かよこさんが行きたがっていたカフェでランチをする事にした。
カフェの外観も素敵だったが、店内も更に素敵で家具はアンティーク調で統一されていて大人でお洒落な雰囲気に私は少し緊張した。
店内は焼き立てのパンの良い匂いが漂っていて、思わずくんくんと鼻を鳴らしていると、向かいに座るかよこさんはフフッと笑った。
かよこ「ここね、隣にベーカリーが併設されててパンが美味しいって評判なんですって。」
「あ、だからさっきから良い匂いがしてるんですね。じゃあ私、このパンのプレートにしようかな…」
どれも美味しそうだったが、私達は焼きたてパンが数種類食べられるランチプレートを頼んだ。
注文を終えたかよこさんは仕事の電話が入っていたようで、すぐ戻るからと言って外へ出て行った。
私は水を一口飲み、フゥと一息つく。
その時、少し離れたソファ席に座っているカップルが私を見て笑っているのに気づいた。
「あの格好、ど田舎から出てきたって感じ?マジないわ〜。」
「プッ!聞こえちゃうよ?でもあの眼鏡は狙ってんのかな?ネタだよね?本気のやつだったらかなりヤバいね。ププッ」
すぐに視線を外すが明らかに私の事、だよね。
都心と言う事もあり、店内にはお洒落な人達ばかり。
かよこさんだって美人だしセンスも良い。
確かにこの店で私は浮いている…
いや、このお店だけじゃない…
どこに行ってもこの容姿のせいで私は浮いていた。
7部丈の白いブラウスに膝下のチェックのスカート、それにいつものスニーカー。
化粧はしてないし、髪は暑いから一つに緩く縛ってる。
服に興味が無いし、普段出かけないからよそ行きの服なんて持ってない。
下を向き長い前髪で顔を隠す。
悪口や影で色々な事を言われるのは慣れている。今更傷つく事もないし気にもならないけど、、一緒にいるかよこさんにまで恥ずかしい思いをさせてるんじゃないかと思うと、申し訳なく思う。
だから誰かと一緒にいるのは苦手なんだ…。