第32章 侑end
ガコン
自販機の取り出し口からミネラルウォーターを取り出すと、その場で一口、口に含んだ。
ふぅ…と濡れた口元を拭い、店に戻ろうと踵を返すと何やら遠くから怪しい影がこちらに向かって走って来る。
ガラガラガラと異様な音も聞こえ、恐怖で顔が強ばった。
な、何⁉︎⁈
ずり、、後退りをした時、
侑「ちょっ!俺やっ!逃げんといてっ‼︎」
「・・・え?侑くん⁈」
街灯の明かりがようやく届く所まで来た侑君は、ハァハァと肩で息をし足を止めた。
そしてその傍らには…
「・・あっ、スーツケース‼︎」
先程の異様な音はスーツケースのキャリーが転がる音だったようだ…
すっかり忘れてたーーー‼︎
私は慌てて侑君の元に駆け寄った。