第5章 再会。
あれから2年。
今私にはかよこさんがいて、数少ないが友達も出来た。
無口で無表情な私に愛想を尽かす事もなく、みんなが優しくしてくれて、居場所をくれた。
"空気"のように過ごしていた私からは想像も出来ない。
気づいたら目から涙が溢れていた。
かよこ「ともみ⁈あんた泣いてるの⁈」
かよこさんは驚いた表情で顔を覗き込んできた。
指で涙を拭う。
「・・・すいません。自分でもびっくりです。
悲しいとか辛いとか、そんなんじゃなくて。
1人じゃないんだな、って思ったら色々込み上げてきちゃって…。」
かよこさんはハンカチを手渡してくれて優しく頭を撫でてくれた。
かよこ「当たり前じゃない!本当にこの子ったら。いい?こうやって泣いたり、時には怒ったりしたっていいのよ?
もっと甘えて欲しいし、ワガママも言って良いの。私達家族なんだから。」.
溢れる涙がハンカチを濡らしていく。
「・・・ありがとうございます…」
かよこ「もーーやだぁ!私まで泣けてきたわよっ!ちょっとハンカチ返して?」
私の手からハンカチを奪い取ると、顔を見合わせて笑った。
この温かい人柄に私は救われた。
私を家族として迎え入れてくれたかよこさんには感謝してもしきれない。
母が眠るこの場所で、私は前を向いて生きていこうと決意を新たにした。