第32章 侑end
侑「あ、臣君。今帰り?」
気分的に会いたくなかった人物が現れ、眉間に思いっきりシワを寄せた。
佐久早「・・あぁ。」
一言だけ返し、ガチャッと鍵を開ける。
侑「何や、めっちゃ不機嫌やなぁ。」
侑のボヤきを聞き流し、部屋に入ろうとした時、チャリーンと音が聞こえ思わず足がとまった。
・・さっきと同じ音。
音の方に視線を向けると、侑の足元にはさっき見た物と同じキーリングが落ちていた。
侑「手、滑ってもうた…、って臣君、どうかしたん?」
キーリングを拾い上げながら侑が俺を見上げる。
こういう時の勘は昔から良い方だ。
ただ今はその勘が外れれば良い、と思ってる自分がいる。