第31章 番外編 黒尾end
恐る恐る、研磨の顔を伺ってみる。
すると研磨はプッと吹き出した。
えっ?何?笑われた??
思わず恥ずかしさで顔が赤くなる。
研磨「ごめんっ、勘違いしないで?変な意味で笑ったんじゃない。
ともみがあまりに可愛いかったから。」
「・・へ?」
研磨の口から出た意外過ぎる言葉に、思わず変な声が出てしまった。
研磨は目を伏せてフッと自嘲気味に笑い、
研磨「もうちょっとここに閉じ込めておきたかったな…。」
と小さく呟いた。
「・・研磨?」
よく意味がわからず顔を覗き込むと、研磨は携帯を手に取り立ち上がった。
研磨「大丈夫だよ。クロは女馴れしてるけど、本気になったのはともみが初めてだと思うよ?」
「・・え?そうなの?、、てか研磨、どこ行くの?」
徐に財布をポケットに入れ、出掛ける支度をしている。
研磨「ん〜、、福永の居酒屋。今日は帰らないかもしれないからクロに言っておいて?」
「えー、、うん…。」
ほんとは研磨には居て欲しかったけど…。
渋々頷くと、研磨が肩越しに振り返った。
研磨「さっきの話、クロなら大丈夫だよ。
むしろ、そう言うの全部話した方が本人も嬉しいと思う。」
そう言うと、「じゃあ、行くね、」と言って出て行ってしまった。
・・クロなら大丈夫…か。
ポツン、と1人茶の間に取り残された私は冷めたコーヒーを啜った。