第29章 黒尾end
私は赤い顔を隠すようにプイッと窓の外に顔を向けた。
「・・手、離さないって言ったのっ‼︎」
黒尾「・・・マジか。」
すると突然、クロの手が伸びてきて窓に手のひらを突き、所謂壁ドンならぬ窓ドン状態になり至近距離で目が合った。
黒尾「ともみの事、好き過ぎて耳がおかしくなったのかと思った。
現実かどーか、確かめて良い?」
艶っぽい瞳で見下ろされ、顔が熱くなるのを感じながら頷くと、そっと目を閉じた。
柔らかくて温かい感触が唇に触れる。
薄く目を開けると、照れた顔のクロと視線が重なった。
黒尾「・・やべーな。新幹線じゃなかったら襲うトコだったわ。」
クロの手が顎に添えられて上を向かされる。
「なっ!//」
黒尾「ふっ、顔真っ赤!」
「も〜!誰のせいだと思って、、」
黒尾「うん、全部俺のせいが良い。これからはともみを笑わせるのも、赤くさせるのも、怒らせるのも…幸せにするのも、全部俺にさせてよ。」
「・・・うん。」
私達はもう一度、軽いキスを交わすと繋いだ手はそのままに肩を寄せ合い、東京へと帰った。