第29章 黒尾end
2年後
都内喫茶店にて。
カランと音が鳴り、入り口に視線を向ける。
日向「あっ、研磨っ!原さ、じゃなかった!黒尾さーん‼︎」
軽く手を上げた私達に気づいた日向さんは、ニカッと笑顔で駆け寄って来て向かいの席に腰を下ろした。
「日向さん、こんにちは。フフッ、名前呼びづらいでしょうし、前のままで良いんですよ?」
日向「すいません、ついクセで。でもいつまでも旧姓で呼んでたら黒尾さん、あ、旦那さんの方ですよ?怒られそうだし…。」
研磨「フッ、確かに。なんか遠回しに嫌がらせとかしてきそう。」
「えっ?鉄朗ってそんなイメージなの(笑)?」
日向 研磨「はい。」「うん。」
声を揃える2人に私は苦笑いを浮かべる。