第29章 黒尾end
そしてクロは、侑君が運ぼうとしてた私のキャリーケースに手を掛けると、ニコリ。と笑顔を貼り付けた。
黒尾「どーも。今日はともみの"友人"として迎えに来ました。
ともみは私が責任を持って送りますので。」
口調は丁寧なのにクロからは威圧感が漂っている…
侑君と治君の眉がピクリと動き、私を間に挟んだ3人の空気がピリついた。
そんな空気に耐えきれず、
「ちょうどタクシー呼ぼうと思ってたとこなんだ!凄いタイミング‼︎、、、」
ねー?明るく振る舞い、と3人の顔を交互に見る。
けど、クロと侑君はお互い視線を離さず空気が張り詰める中、最初に口を開いたのは、
侑「どーも、黒尾さん。まさかこんな形でお会いするとはビックリですわ。
仕事の時の顔つきと偉いちゃいますね?
あんな余裕ない顔、初めて見ましたわ。」