第29章 黒尾end
入り口の方から聞こえた懐かしい掛け合いに、私は勢い良く振り向いた。
振り向いた先にはスーツ姿の侑君と治君が口に弧を描いて立っていた。
「すいません、ツレが来たので失礼します。」
声を掛けて来た男性にハッキリと断りを入れ、私は2人の元へ駆け寄った。
「侑君!治君!」
侑「ともみちゃん、相変わらずモテモテやな。」
治「変な虫つかんように今日は俺らがエスコートしたるさかい。」
口の端を持ち上げて笑う2人は相変わらずカッコ良くて周りの視線を集めていた。
「治君、昨日はありがとう。」
治「おん。今日はまた一段と綺麗やな。」
昔と変わらずストレートに褒めてくれる治君。
ありがとう、、と照れながら笑顔を向ける。
そして、、、