第28章 MSBY
私は用意してきた紙コップとマドラー、ステンレスボトルをテーブルに置き、使い捨ての手袋をはめると2人の目の前で梅ジュースを作っていく。
「毎年この時期になると大量に梅を漬けるんです。
シロップにしておけば長期保存も出来るし、これから夏に向けて夏バテの予防になりますよ。」
木兎「なんか田舎のばあちゃんを思い出すな!」
日向「木兎さんのおばあちゃんも作ってくれたんですか?」
木兎「いや?一度も。イメージの話!」
日向「・・・。」
「ふふっ、確かにお婆ちゃんとかが漬けてるイメージかもしれないですね。
でもこれスポーツ選手におすすめなんですよ?クエン酸が多く含まれていて疲労回復効果もあるので、トレーニングの後の疲れた身体に良いですよ。」
梅シロップを冷えたミネラルウォーターで割ったものを2人の前に差し出すと、2人は一気に飲み干した。
木兎「うまっ‼︎えっ?うまっ‼︎俺あんまり梅得意じゃないけどこれ超好き‼︎」
日向「美味しいっ!そんですっげー爽やか‼︎」
「フフッ良かったです。炭酸で割っても美味しいですよ?」
ふと黙って映像を見ている佐久早選手に視線を送る。
「・・良かったら佐久早選手もいかがですか?」
佐久早選手らチラッとこっちを見て眉を寄せた。