第26章 恋着
Tシャツを着てサングラスを掛けると、後ろから行ってらっしゃーい、と声が聞こえた。
付き合い初めて1年。
普段はチームの寮で寝泊まりするが、今はシーズンオフ。
お互いの休みが合う時は大抵夏希のマンションで過ごす事が多い。
元々夏希はファンの1人やった。
試合終わり、出待ちの子達にサインのファンサービスをしとる時、一際目立ってた夏希と目が合った。
スタイル抜群で色白の肌、艶のある黒の長い髪…。化粧はバッチリしとったけど、どことなくともみちゃんに似てると思った。
その日、夏希の方から連絡先を渡された。
俺は知らんかったけど、割と有名なモデルやったのは後から知った。
まぁあの見た目やし、自信はあったんやろうけど。