第26章 恋着
肩にタオルを掛け、スウェットパンツだけ履いてリビングに行くと、夏希がキッチンで何やら作っとる。
侑「お?夏希が料理とか珍しいやん!何作ってるん?」
カウンターに肘をつき、中を覗く。
夏希「料理ってほどのもんちゃうで?
オートミールのお粥、侑も食べる?」
侑「うっわ、、何やソレ。全然食欲そそられへん。」
皿の中には色の付いた米粒みたいのんがふやけてた。
夏希「見た目はあんまりやけど意外といけるんやで?お腹も膨れるし。」
侑「えー。俺フツーに白米食いたいんやけど。誰かさんが朝から盛ったせいで腹ペコやな〜⁇」
わざとらしく腹を摩りながら夏希に視線を向けた。
そんな俺の視線から夏希は目を逸らすとプイッとそっぽを向いた。
夏希「・・付き合う前にも言うたけど、私にそういうの求めないで。
料理や家事は出来ればしたくないねん。
侑の食事管理はチームのおばちゃん栄養士がやってるんやろ?」
いやいや、そこおばちゃんって決めつけとるんかい。
まぁ実際、そんな派手なネイルしとったら料理も出来へんやろな。
侑「ハイハイせやったなー。じゃ俺はサムんとこでも行って腹ごしらえしてくるさかい。」
これ以上何か言って不機嫌になられても面倒やと思い、俺は夏希に背を向けた。