第25章 新たな道
かよこさんも叔父さんも、私を娘のように可愛がってくれて、本当の家族みたいで幸せだった。
慣れない環境も言葉も、2人のお陰で乗り越えられた。
だから私はずっと2人の側にいようって思ってたけど…
大学に通い始めて2年が経ったある日、
かよこ「ともみは将来どうしたい?」
とかよこさんが真面目な顔つきで聞いてきた。
私は食を通して人と繋がりたいと思ってた。
アドバイザーとして誰かの支えになりたい。
でも根底にあるのは、兵庫での下宿生活で、、
あの時のように、何かに頑張っている人をサポートしたい、料理を食べて笑顔になってもらいたい…。
そんな漠然とした考えをかよこさんに打ち明けた。
私の話を聞き終えたかよこさんは切なげに眉を寄せていて、
変な事を言ってしまったのかと不安になった。
そして、かよこさんの口から出た言葉は、
かよこ「ともみは大学卒業したら日本に帰りなさい。」
最初は意味がわからず私は首を横に振った。
かよこ「日本でやりたい事、あるんじゃない?」
押し黙る私をかよこさんはそっと抱きしめた。
かよこ「ともみがイタリアに来てくれて本当に嬉しかった。
私と主人を支えてくれてありがとう…。
どこにいたってあなたは私の娘だから…
卒業したら好きに生きなさい。」