第25章 新たな道
研磨「・・俺、酒が飲めないからっていうのを言い訳にして自分の部屋に戻ったけど、ホントは辛そうにしてるともみを見てられなくて逃げた。」
黒尾「・・・。」
研磨「・・俺はともみをどうこうしたい訳じゃない。でも傷ついたり、無理して笑う姿は見たくない。
・・クロはともみを幸せにする自信、あるの?」
振り向いた研磨の顔は至極真面目な顔つきをしていた。
黒尾「そりゃ幸せにしてやりてーよ。俺ん中でともみはずっと特別な女だし。
ケド、一方通行じゃ駄目だろ?」
研磨「・・そうだね。ごめん、変な事言った。・・じゃ俺、寝るから…。」
研磨の表情はよく見えなかったけど、声のトーンはいつもより低く感じた。
黒尾「あぁ…おやすみ。」
パタンと静かにドアが閉められた。
研磨も同じ屋根の下で暮らして歯痒く感じてんだろーな。
でもともみだってもう子供じゃないんだ。
自分の幸せは自分で決めるだろ…。
スヤスヤ気持ち良さそうに眠るともみに視線を戻し、頭をポンと撫でた。
黒尾「さて!うちの姫を運ぶとしますか?」