第25章 新たな道
・・え?
木兎さんてあの木兎さん、、だろうか…。
今となっては木兎さんも有名なVリーグの選手だ。
私が会ったときはまだ高校生だったけど…
あまり人の会話を聞いてはいけないと思いつつ、日向さんの声も大きい為、自然と会話が耳に入ってくる。
日向「え?今から?晩飯ですか、、今日は、、チョット…」
日向「違いますよー。彼女いないっす。実は今、研磨の家にいるんですよ。」
日向「晩飯ご馳走になるんで。・・・え?いや、ちょっとそれは…。」
日向「ん〜〜研磨に聞いてみないと…。」
木兎さんの声は一切聞こえないけど、どういう状況なのかわかる気がする…。
居間で携帯をいじっていた研磨も会話が聞こえてるようで、眉を顰め渋い顔をしている。
日向さんは携帯の通話口を手で押さえ、苦笑いを浮かべながら研磨に向かって口を開いた。
日向「研磨ー、木兎さんも研磨ん家、遊びに来たいって言ってるんだけど、良い?てかもう来る気満々過ぎて断れない雰囲気なんだけど…。」
研磨「・・えー。ダメって言っても絶対来るでしょ、あの人。」
はぁ、、とため息を吐くと小さな声で
研磨「・・しょうがないから良いよ。」
と口を尖らせて呟いた。
日向「ん。サンキューな、研磨!」
日向さんが木兎さんと話を続ける中、研磨の様子が気になり声を掛けた。
「・・研磨、大丈夫?」
研磨「んー、多分。。俺あの人の相手するの面倒だからクロも誘ってみる。」
「・・・なんか賑やかになりそうだね…。ご飯、足りるかな…。」
私も別の意味で心配になってきた…。