第25章 新たな道
「日向選手、流石に手際良いですね。」
割下を作る私の隣で、トントントン…と慣れた手つきで日向選手が野菜を切ってくれている。
手伝わなくて大丈夫だとやんわり断ってみたが、料理してるとこを近くで見たいと言われ、結局手伝ってもらう事になった。
日向選手は何に対しても勉強熱心だ。
日向「そうっすか?てかもう日向選手って呼び方、やめて下さいヨ。」
「えー…じゃあ、、日向さん…」
日向「ハハッ、まぁ〜ちょっとはマシ、かな。」
ニカッと笑う日向さんに私は眉を下げた。
日向さんはコミュニケーションを取るのが上手だな…。
研磨とは性格が正反対だけど、2人が親友であるのは側から見てもわかる。
こういう選手がいるときっとチームも良い雰囲気なんだろうな…。
ブラックジャッカル。
チームの事、、気にならない訳じゃない。
「・・・。」
日向「?原さん?どうかした?」
ぐつぐつと割下が沸騰していて慌てて火を止め、笑顔をつくる。
「すいません、、大丈夫です。」
その時、
ヴーヴーと日向さんの携帯が音を立てた。
日向「あ、木兎さんから電話だ。ちょっとすいません。」