第25章 新たな道
カタカタカタ、、
「よしっ、完成っと。」
自室のパソコンで入力作業を終え、ぐーっと腕を伸ばす。
時計を確認すると14時を回ったところだ。
「少し休憩しようかな…。」
3人で朝食を食べた後、クロは仕事に行き、研磨は部屋で睡眠をとっている。
日本に戻ってきて数ヶ月、ようやく仕事がポツポツと入ってくるようになってきた。
イタリアの大学で取得した栄養士の資格は日本ではなかなか通用せず、働き口を探すのは想像以上に大変だった。
何社も採用試験を受けたけど、ことごとく不採用。
そんな時に声を掛けてくれたのが研磨だった。
研磨は、何で会社に雇われる事にこだわるの?
と思いもしない疑問を問いかけてきた。
私はそれが当たり前だと思ってたし、そんな事を疑問に思う事もなかった。
研磨はそんな私にフリーランスで栄養士をやったら?とアドバイスをくれた。
海外に住んでたキャリアがあって、英語、イタリア語が話せる、その上マネジメントから調理も出来るならその方が良い、と。
研磨が凄く大人に見えた。
昔から頭の回転は早かったけど、やっぱり若くして社長になる人は違うな、、と実感した。