第4章 新たな出会い。
侑「かよこさんは子供おらんの?」
かよこ「子供欲しかったんだけどねー。こればっかりは授かりもんだからね。あんた達みたいな子がいたら家の中賑やかで良いわね!」
「「喧しいだけや」」
フッ
見事にシンクロした双子がおかしくて思わず吹いてしまった。
かよこ「え?」
倫太郎「今…。」
かよこさんと倫太郎君の視線が私に向けられて自分でも気づく。
私、今笑った?
片手で口元を覆う。
ついさっきまで賑やかだった部屋が静まり、
麦茶が入ったコップの中でカランと氷が音をたてる。
侑「え?どないしたん?」
治「ツムがしょーもない事言うからやろ。」
侑「俺なんも言うてへんし!」
また2人が言い合いになりかけた所で、私は何も無かったかのように用意した麦茶をテーブルへと運ぶ。
「みなさんお茶、どうぞ。」
麦茶と一緒にお茶菓子を置いたところで、かよこさんに腕を掴まれた。
かよこ「ともみ…あんた…笑えたじゃない。笑ったうちに入らないかもしれないけど、、、2年間一緒にいて初めてよ…」
かよこさんは目を潤ませて嬉しそうに微笑んだ。
「かよこさん…」
かよこさんは立ち上がると、私の頭を優しく撫でた。
かよこ「フフッ、何か感極まっちゃった。侑君も治君も訳わかんないわよね、ごめんごめん‼︎
さ、気を取り直して勉強会始めてちょうだい?私は何か差し入れ買ってくるわ!」
侑「差し入れ⁇よっしゃー!かよこさんおおきに〜♡」
治「ありがとうございます〜」
喜ぶ双子達にかよこさんは笑顔で応えてリビングを出て行った。
私はその後ろ姿をぼんやりと見送る。