第4章 新たな出会い。
あんなかよこさん、初めて見た。
たしかに私は笑ったり泣いたり声を荒げたり、感情が昂るということが無い。
そんな私を誰よりも心配してくれてるのはかよこさんだ。
倫太郎「何難しい顔してんの?」
気づくと倫太郎君が隣に立ち、顔を覗き込んでいた。
「あ、ううん。何でも、」
倫太郎「さっき、俺も驚いた。ともみを笑わせたのがアイツらなのはムカつくけど。」
言葉を被せるように倫太郎君が耳元で呟いた。
倫太郎「でも、良かったじゃん。一歩前進。」
倫太郎君の手がポン、と優しく頭を撫でた。
私は口元を緩ませて頷いた。
侑「角名ー!何をコソコソしとんねん。早よ始めんと日が暮れてまうわ。」
治「せやな、始めよか?ともみちゃん、ここ座り?」
ソファに座っている治君が隣に座るよう、ポンっとクッション叩く。
倫太郎「オイ、勝手に決めんな。」
そう言うと倫太郎君はそのまま私の腕を掴み、双子が座っているソファではなく、ダイニングテーブルの椅子に私を座らせると、自分もその隣に座った。
治「何でやねん!そっち座るなら俺もともみちゃんの隣座るで?」
6人掛けのダイニングテーブルで私は真ん中に座らされ、治君と倫太郎君がそれぞれ両隣に座った。
そうなると…
侑「はー?何やソレ?俺だけ仲間外れかい!」
治「しゃーないやろ、こっちはいっぱいや。ツムは向かいに座っとき。」
侑「なんで俺だけ反対側やねん!寂しいわ‼︎」
結局、文句を言いながらも侑君はテーブルを挟んで向かいに座り、ようやく勉強会が始まった。