第23章 スポーツの秋。
侑「原ともみーーー‼︎
俺はココやぞーー‼︎早よ取りこんかーーい‼︎」
侑君の大きな声がグラウンドに響いた。
声のする方へ振り向くと、侑君が頭から鉢巻を外しブンブンと振り回しながらニッと口の端を上げている。
「・・侑くん、、」
・・私はまた、間違えるところだった。
批判されたり、暴言を吐かれるのが怖いからって逃げようとしてた。
中途半端な言動は時に人を傷つけてしまうって身を持って経験したのに…。
先程とは打って変わって、応援席からは女子達の悲鳴があちこちで聞こえてくる。
「ちょっとー‼︎何?今のどういう事ー⁈」
「えっ⁈嘘やん?あの2人って出来てるん?」
「キャーー!やめてぇーーーー!」
「いや〜そんなん見たくない〜!」
うん。
わかる、そうだよね、見たく無いよね…。
だけど、ごめんなさい。
心の中で謝りながら、私は侑君の元へと駆け寄った。
私が迷った時、いつも手を差し伸べてくれる。
道を作ってくれる、私の愛しい人。