第23章 スポーツの秋。
どうしよう…。
もう消えてしまいたい…。
私には華ちゃんみたいな度胸ないよ…。
こんな全校生徒の前で侑君のとこに行く勇気ない。
ファンクラブの人も見てるし、さっきの活躍でさらに人気は上がってるだろうし…。
行き場のない重い足を引き摺るように一歩、二歩と前に進む。
「原さーん!俺の鉢巻受け取ってー!」
「あー!お前ずりーぞ‼︎原さんこっちこっちー!」
「原さーん!俺の愛を受け取ってやー!」
何故かトラック内に鉢巻が数本、投げ入れられている。
誰が投げたかわからないけど、、、この中から1本拾って持って行けば良いんじゃ…?
吸い寄せられるように落ちた鉢巻の方へと足を踏み出した瞬間、