第20章 2人の日常
驚いて顔を上げると、その端正な顔立ちに見覚えがあった。
「あ、、えーっと…あやかさんの同級生の、、」
?「北信介。アンタ確か、、双子の」
「・・ハイ。原ともみと申します…」
私はしゃがんだままペコッと頭を下げた。
そうだ、北さん!
確か今年のバレー部の主将になったって侑君達が話してた。
噂では生真面目で厳しい人って聞いてたけど…。
北さんは私の足元にチラッと視線を落とすと状況を理解したのか、
北「足、痛そうやな。おぶったるから背中乗り?」
北さんはそう言って背を向けて膝を突いた。
「えっ⁉︎いや、だ、大丈夫です!」
突然の申し出に驚き、私は首を横に勢い良く振った。
北さんは背中を向けたまま、顔だけ振り向くと、
北「これ以上歩くと左足も皮捲れてまうで?
遠慮せんと乗り?
人に見られて恥ずかしいなら、背中で顔隠してたらええから。」
・・私より恥ずかしい思いをするのは北さんなのに、、優しい人だな…。
「・・ありがとう、ございます。
あの、、その前に一つお願いが…。」
北「なんや?」
「携帯、お借りしても良いですか…」