第20章 2人の日常
頭上でカァーカァーと鳴くカラスを眺めながら額の汗を拭う。
陽は落ちたとは言え、まだ日中の暑さが残る中、隣町まで歩くのは中々キツい。
「・・喉、渇いた。」
すでに喉はカラカラだ。
でも、ここまで来たしあと少し…。
フラつく足に喝を入れ、再び前を向いて歩こうとした時、ズキっと右の踵に痛みが走った。
「ッ痛!」
その場にしゃがみ込み、右足を確認すると、踵に当たるサンダルのストラップ部分が擦れて皮が捲れてしまっていた。
もちろん左足も同様で、まだ血は出てないものの、赤く擦れている。
「・・・最悪。」
道の端でしゃがみ込んで項垂れる私を、通行人は不思議そうな顔で見たり、見て見ぬふりをする人が、通り過ぎて行く。
裸足で歩くしかないか…。
痛みに顔を歪ませ立ち上がろうとした時、目の前に男の人がしゃがみ込み、顔を覗いてきた。
?「どないした?具合でも悪いんか?」