第4章 新たな出会い。
あれ?倫太郎君だ。
向こうも私に気づいたのか小さく手を挙げた。
私は反応に困りペコっと頭を下げる。
ここ最近、倫太郎君の雰囲気が少し変わった気がする。前に比べて柔らかくなったというか…。
今も少し笑顔を見せてくれた気がする。
笑った顔、珍しい…。
そう思ったのは私だけではなかったようで…。
「お?何やっ?角名が笑顔で手振っとたで?誰や!女か?」
倫太郎君の隣にいた金髪の背の高い男の子が大きな声で騒ぎ出した。
窓が空いていた為、2階の教室までしっかり声が聞こえて来てドキッとする。
金髪の男の子がこちらを見上げ、ばっちりと目が合ってしまい私は慌てて目を逸らした。
周りに怪しまれないようにスーッと静かに窓を閉め、何も無かったかのように黒板の方へ向き直る。
私なんかと友達と思われたら倫太郎君に迷惑がかかってしまう。
グラウンドの方が少し気になりつつもその後は外は見ずに授業に集中した。