第19章 花火大会
先程まで小さな手を握っていた手をぎゅっと握りしめ、小さく息を吐く。
・・私も戻らなきゃ。
踵を返し顔を上げると、人をかき分け走ってくる人物が目に入った。
「え…侑君?」
侑君も私に気付いたようで、真っ直ぐこちらに向かって走ってきた。
侑「ともみちゃん!ハァハァ、、良かった〜!」
息を切らして目の前に来ると、侑君はホッとしたように笑い、額の汗を拭った。
「・・侑君、迎えに来てくれたの?」
侑「おん。ともみちゃん危なかっしいからな、また変な奴らに絡まれてるんちゃうかと思って。・・てか迷子の子はどないしたん?」
・・嬉しい。
侑君が迎えに来てくれて嬉しいのに、、、
ももちゃんと昔の自分を重ねたせいか、堪えてた涙が一気に溢れ出た。