第19章 花火大会
倫太郎「あーあ。ともみが誰かのもんになるとか、すげー嫌だな。」
そう呟きながら倫太郎君は宙を見上げている。
「え?」
治「せやなー。しかもその相手が自分と同じ顔してるとかホンマ考えただけで腹たってくるわ。」
治君まで意味のわからない事を話し出し、2人の顔を交互に見上げるが、倫太郎君に上手くはぐらかされてしまった。
3人で肩を並べて歩いていると、少し先の通りに夜店が立ち並んでいるのが見えた。
「・・ねぇねぇ!2人共。私こういうの初めてなんだけど…。夜店、見に行っても良い?」
夜店はすでに賑わいを見せていて、つい釘付けになって見ていると治君がプッと吹き出した。
治「なんか急に子供みたいな顔になったな〜。
よっしゃ!花火始まるまで遊びまくるか!」
倫太郎「・・だな。ともみが気になるとこ全部行こ?」
「ホント?やった〜!」
嬉しくて子供みたいな声を上げる私を、治君と倫太郎君は笑って見ていた。
そして今度は私が2人を引っ張って夜店へと走り出した。
そんな楽しそうに笑い合う3人の光景を後ろからギリギリと睨んでいる男が1人…。
侑「あいつらちょっとデレデレし過ぎやんな?」
あやか「フフッ、ええやんかー。倫太郎と治君もともみちゃんとデート出来んのは今日で最後かもしれへんし?」
ニヤリ、と意味深に笑うあやかを見て侑はえ?と口元を引き攣らせる。
侑「・・・最後って、、あやかちゃん。あいつらから何か聞いたん?」
あやか「え?あいつらって?何も聞いてへんよ?てかホラ!うちらも行くで!夕子ちゃん一人で何か買うてるし(笑)!」
侑「せやな。俺たこ焼き食いたいわー!」