第18章 2度目の夏。
7月に入り梅雨が明けるとまた暑い夏が始まった。
地獄の期末テストが終わり、夏休み気分もそこそこに、私以外のメンバーは合宿に行った。
今年もかよこさんと東京に行く予定を立てていたが、それは急遽中止になってしまった。
かよこ「ともみ、本当に1人で大丈夫?」
「大丈夫ですよ、明日にはバレー部の3人も帰ってきますし。」
何度目かわからないやり取りを玄関先でくり返す。
「私の事より今は叔父さんを心配してあげて下さい。」
2日前、イタリアにいるかよこさんの旦那さんが仕事中に倒れ、入院したという連絡があったのだ。
かよこ「そうね、、ありがとう。向こうでも携帯繋がるから何かあったら連絡しなさいね?」
「うん、分かった。かよこさんも無理しないで。」
かよこ「そうね、気をつけるわ。じゃあ皆んなにも迷惑掛けちゃうけど、宜しくね。」
「はい、行ってらっしゃい。」
最後まで心配そうな顔を向けるかよこさんに、私は笑顔で送り出した。