第17章 揺らぐ。
華が顔を上げた。
侑「高校入ったらバレー強いヤツいっぱいおった。
俺負けず嫌いやし、どんどんバレーに夢中になって、バレーの事で頭がいっぱいやった。
せやから他のもんは大概面倒くさくなって…、自分に言いよってくる子と適当に遊んだり、割り切った関係持ったり…ホンマ酷いやろ?」
ハハッと笑って見せると華は口元を引き攣らせていた。
華「噂で侑先輩は高校入ったらチャラくなったって聞きましたが、、ホントだったんですね…」
侑「え?噂広まってたん?まぁ、実際調子乗って結構遊んでたしな…ってちゃう‼︎そうやなくて。
・・もう一度、ちゃんと向き合いたいって子がおんねん。」
華「・・・。」
華の目が悲しげに伏せられた。
すまんな、華。
華の気持ちには応えられへん。
もう傷つけたないねん。
バレーと同じぐらい大事にしたいって思える子を見つけたんや。
2人の間に束の間の沈黙が流れた時、ポツ、ポツと雨音が聞こえた。
侑「うっわ…ホンマに降ってきたわ。」
駐輪場の屋根に当たる雨音が次第に大きくなり雨は本降りになってしまった。