第17章 揺らぐ。
逃げるように校舎脇を走って通り抜けようとした時、薄暗い駐輪場で見知った顔を見つけた。
侑「・・華?」
この時間すでにスカスカになっている駐輪場で、華は何やら探しものをしているのかキョロキョロと足元を見ていた。
駐輪場に近づき声を掛ける。
侑「何や探しもんか?」
ビクッと肩を揺らした華が振り向いた。
華「あっ侑先輩⁉︎」
侑「チャリの鍵でも失くしたんか?」
華は顔を赤くし頷く。
華「落とした時に蹴っ飛ばしてしまって…。」
侑「はっ、相変わらずドジっ子やなぁ。」
ポケットから携帯を取り出しライトを点灯させ地面を照らす。
華「・・部活帰りでお疲れなのに、スイマセン。てか侑先輩、、1人なんですか?」
しゃがみ込む俺の横で、華が不思議そうに辺りを見回した。
侑「あー、、携帯部室に忘れて戻ってきたとこや。」
華「フフッ、先輩も相変わらずですね。」
侑「似たもん同士やったな。」
中学の頃からお互い抜けていた性格だった事もあり、こんなやり取りは日常茶飯事だった事を思い出す。
そんな事を考えていた時、視界の隅にキラッと光るものが目に入った。
侑「あっあれちゃう⁈見つけたで!」
華「えっ⁈ホント⁇」